
タイヤメーカーのブリヂストンがタイヤの水平リサイクルに向けての取り組みに関する説明会を開催したそうです。
水平リサイクルとはどういうリサイクル方法なのでしょうか。ブリヂストンの取り組みについて教えてください。

水平リサイクルとはマテリアルリサイクルのことだね。
水平リサイクルとは使用済みの製品が資源となり、また同じ製品として生まれ変わるリサイクルシステムのことなんだ。
タイヤのリサイクルについて
自動車やバイク、自転車に使われた廃タイヤは、廃棄物から熱を得るサーマルリサイクルが主流を占めています。
つまり、燃焼材として使われていることですが、このリサイクル法だとCO2排出量や資源循環の観点からみた場合に色々な課題があります。

燃焼材として使われているんですね。燃やすとなるとCO2排出による環境負荷が高そうです。

環境への懸念もあるんだけどメリットもあるんだよ。廃タイヤは細かく切断されタイヤチップとなるんだけど、石炭とタイヤチップを専用のボイラーで燃焼させると、石炭だけのボイラーよりも窒素酸化物や硫黄酸化物の排出量を抑えることができるので一概に環境に悪いとはいえないんだ。
タイヤチップは国内発生分だけで需要が間に合わず、海外から買い入れているほどなんだよ。

そうなんですね。燃焼材として使われるのにも理由があるんですね。
それで、ブリヂストンの取り組みは・・・?

もちろん、説明していくよ。
ブリヂストンの取り組みについて
タイヤの水平リサイクルというのはとても難しいんだ。タイヤはゴムでできていますが、それだけではありません。
天然ゴム、合成ゴム、繊維などの複雑な構造なので、分離が困難という点が問題になっています。
この構造を壊してしまうと、新しいタイヤにしても同じ性能を得るのは難しくなるのです。
ブリヂストンでは、精密熱分解して油化・精製してタイヤ原料に戻すという技術開発に取り組んでいます。
油化のプロセスはブリヂストンだけではなく、ENEOSの技術をそれぞれ活用しています。
他にもや東北大学、産業技術総合研究所、日揮ホールディングスとそれぞれ進めていたりします。
2030年までに量産化を視野に入れた実証実験を行い、その後事業化を図る計画です。

実現に向けて取り組んでいる段階なんですね。タイヤの水平リサイクルによってどれだけの効果があるんですか?

ブリヂストンによると仮に廃タイヤ60万トンを処理した場合、約146万トン相当のCO2排出量削減効果が得られるそうだ。
水平リサイクルは必要とされながらもコストの面で問題があったんだけど、今回の取り組みは何とか実用化してほしいね。