パナソニックがガラス部分のリサイクル促進へ

冷蔵庫

先生

パナソニック ホールディングスが2022年11月9日に家電製品に使われるガラス素材のリサイクルが可能となる工法を開発したと発表したよ。


少女

家電にガラス素材?
ガラス素材とはどこで使われる部分ですか?


先生

家電製品は高級感のあるデザイン性を求めて、冷蔵庫のドアや洗濯機の蓋部分で使われるケースが増えているんだ。

家電のガラス素材について

冷蔵庫といえばスチール製のドアでしたが、現在、400L以上の大型冷蔵庫はほぼガラスドアになっています。冷蔵庫のドアにおけるスタンダードといっていいでしょう。
フラットなデザインが増え、既存のインテリアにもなじむデザイン性の高さが人気のひとつです。
そして、経年劣化しにくいというのも大きいでしょう。スチール製のドアは表面を塗装しているため、よく触る部分は塗装が剥がれてしまう欠点があります。
見た目も悪くなり、サビの原因です。一方、ガラスドアは塗装をしていないため、そのような心配がありません。
ガラス自体が経年劣化しにくい素材のため、冷蔵庫本体を買い替えるまでキレイなまま使えるのがメリットです。

少女

メリットがあるからこそ、素材として使われているわけですね。
リサイクルが可能になったということは、それまではどのように処分していたんですか。


先生

ガラス素材は、ガラスとその他の素材は強力な接着剤で付着していたので、分別処理が難しいという問題があったんだ。

ガラス素材のリサイクルについて

ガラス素材は粉砕して、産業廃棄物として処理されていました。
そこでパナソニックはガラスを取り外してリサイクルするために接着剤を不活化させることに成功します。
方法としてはレーザー光を使って、ガラス裏面の有機塗料を炭化することで、ガラスのみを剥離可能にするレーザー剥離工法を開発しました。
この方法によって冷蔵庫の場合、ドアを外さずにガラスだけ剥離させることができます。レーザー光で炭化した有機塗料は簡単に除去できるそうです。

少女

素晴らしい技術ですね。この技術はパナソニック製品だけですか?


先生

パナソニック ホールディングスによると他社の製品でも可能だそうだよ。
2022年度中に効果検証を進め、2023年度に全国のリサイクルプラントで導入を進めていくとしているね。
冷蔵庫以外にも、ガラス素材が使われている洗濯機や、スマホで使われているガラスの剥離にも活用していくそうだ。


少女

他社製品や冷蔵庫以外でも使える技術なんですね。
リサイクルが難しい製品を、リサイクル可能にするというのは家電を製造・販売する会社が取り組んだというのも素晴らしいと思います。