リチウムイオン電池リサイクル工場が稼働へ

リチウム

少女

元テスラのCTOが作った電池リサイクル工場がまもなく稼働するというニュースをも見ました。
電池はリサイクルされているものだと思っていたので、このニュースを見て、電池はどうやってリサイクルされているのでしょうか。
今回作られた電池リサイクル工場はどのようなものなのかについても教えて下さい。


先生

スマホやモバイルバッテリーなど、広く普及しているリチウムイオン電池はきちんとリサイクルされていないんだ。
主に燃やして焼却灰となったものが路盤材に使われていて、有効活用されていない。

電池のリサイクルがない理由

電池に使われているレアメタルのニッケルやコバルトをリサイクルする技術はありますが、複雑で高コストな処理が必要というのが理由です。
しかし、近年、よりクリーンで効率的なリサイクル技術が商業化し、今回の様な電池リサイクル工場を立ち上げる新興企業が続々登場しました。
そのうちの一つがこのレッドウッド・マテリアルズによる電池リサイクル工場です。
この工場では選別・粉砕された電池材料に化学的な処理が施され、リチウム、ニッケル、コバルト、銅などの金属を分離していきます。
リサイクルされた金属を再び電池の材料として再利用します。
例えば、リサイクルされた銅を使って、銅箔を製造し電池メーカーに販売するということをしているそうです。

少女

これだけ普及しているリチウムイオン電池をリサイクルするのは技術的に難しかったのですね。
この工場はアメリカですが、日本ではどのような取り組みがされているのでしょうか。


先生

もちろん、日本の企業もリチウムイオン電池のリサイクルについて動いているよ。

日本のリチウムイオン電池のリサイクルについて

本田技研工業と日本重化学工業は、電池を焼かずに分解・溶解することでレアメタルの抽出を行わなくても水素吸蔵合金の原材料にする技術を確立しました。
この方法によって従来法よりも安価でレアメタルを有効活用できるとしています。
他にもVOLTAという企業がリチウムイオン電池やニッケル水素電池のリサイクル事業に取り組んでおり、電池を解体し鉄やアルミなどの金属は取扱業者へ売却。
さらに電池を放電・乾燥させた後、粉砕して選別することで、ブラックマスと呼ばれるコバルトやニッケル等のレアメタルを含む濃縮滓の生産を行っています。

少女

日本の企業もリチウムイオン電池のリサイクル頑張っているのですね。
電池の材料となるレアメタルが枯渇するかもしれないというニュースも見たので、早くすべての電池が適切にリサイクルされることを期待しています。