バイクの排ガス規制

マフラー

少女

パパが排ガス規制によって欲しかったバイクが生産終了になってしまったといっていました。
今買わないと手に入らないかもといって、ママに相談していましたが、排ガス規制でどうしてバイクが作られなくなってしまうのでしょうか?


先生

50cc以上のすべてのバイクは2022年11月1日から次期排ガス規制が適用されたんだけど、この次期排ガス規制に適合できないバイクを新車として売ることができないんだ。
そのため、生産終了になってしまったロングセラー車種も多いから話題になったというわけだね。
君のお父さんが欲しかったというバイクは多分、そういう車種だったかもしれないね。


少女

排ガス規制が作られたのはやっぱり、バイクから出る煙が問題なのでしょうか。


先生

その通り!

排ガス規制について

この排ガス規制は大気汚染による健康被害や環境への影響に対応するために作られた規制です。
排ガス規制自体は1998年に設けられた法律で、歴史自体は以外に浅かったりします。
この時、多くのバイクが生産終了となってしまいました。特にレーサーレプリカとして販売されていた2ストロークエンジン車が排ガス規制をクリアできずなくなってしまいます。
2006年にさらに厳しい規制に強化されます。なんと98年の規制値よりも更に7~8割減という数値になり、キャブレターというガソリンと空気を混ぜてエンジン内部に送る燃焼供給装置を搭載した車種、空気でエンジンを冷やす空冷車がなくなりました。
このように排ガス規制によって多くのバイクが生産終了してしまいました。
以降も改定されていて、そのたびに名車が消えていく事態になっています。

少女

人体や環境への影響を考えるとやむを得ない気もしますが、今回の次期排ガス規制もやっぱり厳しいんでしょうか。


先生

そうだね。かなり厳しくなっているよ。

次期排ガス規制について

今回の排ガス規制は世界一厳しいとされているヨーロッパの「EURO5」という規制と同じ内容になっています。
そのため、規制値は厳しくなり、排ガスの低減や診断に必要な部品やシステムの劣化などを監視する装置の装備が義務付けられました。
バイクを構成する部品の増加や改良が必要になるのでコストがかかります。規制をクリアしても性能が落ちると商品としての価値も落ちてしまうので、設計が古い車種は対応が難しくなります。
ロングセラーの車種が生産終了になるのはこういった理由です。

少女

バイクの排ガス規制によって多くの車種がなくなってしまうのは、仕方ない面もありますが、悲しいですね。
次期排ガス規制が施行されたらそれまでのバイクに乗れなくなるんですか?


先生

この規制は新車での販売ができないだけで、中古車を購入して乗る分には問題はないんだけど、こういった事情から需要が伸びて、中古バイクはとても高騰しているんだ。新車価格を越えるバイクも出てくるほど。
残念ながらこの状態はしばらく続くとみられているから、君のお父さんも新車で買いたいと思っているんじゃないかな。