環境アセスメントという言葉をよく聞くようになりましたが、どのような意味なのでしょうか。
よくわからないので教えてください。
環境アセスメントとは採算性や利便性を重視した開発による環境悪化を防ぐために設けられた制度なんだ。
環境アセスメントとは
環境アセスメントは特定の事業を始めようとする事業者自らが調査し、その後、地域住民や専門家、環境担当行政機関に意見を募るという流れになっています。
省略して、環境アクセスと呼ぶ場合も。
環境アセスメントは「環境アセスメント法(環境影響評価法)」で定められていて、道路や鉄道、ダム、発電所などの開発事業が対象です。
開発による環境への悪影響に対して配慮された法律なんですね。
どのような効果が期待されているのでしょうか。
環境への影響を事前に分析して、広く公表することで多くの関係者からの意見を吸い上げることができるんだ。
そのため、近隣住民や周辺環境に配慮した計画の変更、修正がしやすくなる。
懸念点について周辺住民と何度も話し合い、意見をすり合わせることでより良い事業を実施できることがメリットといえるね。
調査はどのように行われるのですか?
環境アセスメントは「調査」・「予測」・「評価」を実施して、環境保全のための施策を検討し、施策が講じられた場合における、環境影響を総合的に評価するんだ。
環境アセスメントの調査について
調査は予測・評価をするために必要な地域の環境情報を収集するための調査を行います。
予測は事業を実施した場合、環境がどのように変化するのかを予測します。
評価は事業を行った場合の環境への影響について検討することです。
地域の情報の環境情報を収集するとありますが、どのような情報を収集するのですか?
環境アセスメントで調査する項目は事業の内容や地域の特性を考慮し決まるから一定ではない。
大気環境や水環境、土壌環境、生態系、景観、廃棄物など多岐に渡るんだ。
自然環境に対して色々配慮したうえで開発されていることが分かりました。課題はあったりしますか?
もちろん課題はある。まず、法律で定められている以外の事業や小規模事業における環境アセスメントの実施についてだ。
環境アセスメントの課題について
例えば、発電所だと火力発電所や水力発電所、地熱発電所などは対象事業として定められていますが、バイオマス発電や小規模火力発電所は含まれていません。
しかし、小規模であっても周辺環境への影響は考える必要があり、事業者による自主的なアセスメントが求められます。
今後はこのあたりも整備していくことが大切になってくるでしょう。