サーマルリサイクルってどういうリサイクル方法?

煙突

少年

サーマルリサイクルっていう言葉を聞いたんだけど、どんなリサイクルなの?
できるだけ分かりやすく説明してほしいな。


先生

説明しよう!

サーマルリサイクルとは

廃棄物(おもにプラスチック)を燃やすときに出てくる「熱エネルギー」を回収して利用するリサイクル方法のひとつです。
これは地域の発電やボイラー、温水プールに使われています。

少年

燃やすってことは、燃料として使うってことなの?
どのくらいのプラスチックがサーマルリサイクルされるの?


先生

一般社団法人プラスチック循環利用協会が収集した2005~2019年のデータによると、日本のプラスチックのリサイクル率は85%なんだけど、そのうち60%はサーマルリサイクルが占めているそうだよ。


少年

へー、そうなんだ。
ということは、ほとんどのプラスチックはエネルギーの原料として燃やされているんだね。
サーマルリサイクルっていうけど、リサイクルなの?


先生

確かに海外ではリサイクルのひとつとしていなくて、エネルギー回収や熱回収などと呼ばれているね。

プラスチックの再利用方法について

リサイクルは、廃棄物を加工して原料として再利用することなのですが、廃棄物の中には再利用が難しいものがいくつか存在します。プラスチックもその一つです。
プラスチックを再利用するには、大規模な工場が必要で大きなコストがかかってしまいます。比べてサーマルリサイクルは低コストで廃棄物を有効活用できる方法です。
ごみ焼却施設に集められたゴミはプラスチックだけではなく紙類などさまざまな物が含まれますが、廃プラスチックは発熱量が大きくて、紙ごみの2~3倍もあります。
これは石油や石炭に負けないくらいの発熱量です。廃棄物を燃料として利用することで、石油・石炭といった天然資源を一定量節約することになり、結果的にCO2の量も減らすことにつながります。
そういった廃棄物を活用するために生まれたのがサーマルリサイクルなのです。

少年

プラスチックを燃やして燃料にすることもメリットがあるんだね。知らなかったよ。
でも、プラスチックを燃やすと有害なガスが出るけど、問題ないの?


先生

良い質問だね。サーマルリサイクルにはメリットもあるけど、問題点もあるんだ。

サーマルリサイクルのデメリット

それがプラスチックを燃やすことでダイオキシンをはじめとした有害物質を含む排ガスが発生します。
燃焼技術の進化や規制の強化で、排出量はかなり抑えられていますが、完全に無くすことができないというのが実情。
そして、プラスチックを燃やすわけなので、どうしても二酸化炭素も排出されてしまいます。温室効果のある二酸化炭素が出てしまうのもデメリットといえるでしょう。

少年

やっぱり燃やすことで何か問題が出てくるんだ!
じゃあ、プラスチック製品をできるだけ使わないことが大切なんだね。僕も無駄なゴミを出さないように気を付けるよ!