食品ロス削減とリサイクルの役割

食品ロスとは?

食品ロスとは、本来食べられるはずの食品が捨てられてしまうことを指す。食品廃棄にはさまざまな要因があるが、大きく分けると「事業系食品ロス」と「家庭系食品ロス」の2種類に分類される。

  • 事業系食品ロス:食品メーカーや飲食店、スーパーなどから発生するもの
  • 家庭系食品ロス:家庭での食べ残しや賞味期限切れによる廃棄など

農林水産省のデータによると、日本の食品ロスは年間約570万トンに達している。これは、日本人1人当たり約45kg、毎日お茶碗1杯分のご飯を捨てている計算になる。特に家庭系食品ロスは全体の約半分を占め、個人レベルでの取り組みが欠かせない。

食品ロスがもたらす問題

食品ロスは単なる「もったいない」だけではなく、環境問題や経済的な損失、さらには社会問題とも深く関わっている。

1. 資源の無駄遣い

食品が私たちのもとに届くまでには、多くのエネルギーや水、労働力が使われている。食品を無駄にすることは、それらの資源をも無駄にしてしまうことになる。

2. 環境負荷の増加

食品廃棄物は焼却されることが多く、その際に排出される二酸化炭素(CO2)は地球温暖化の一因となる。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告によると、食品ロスが排出する温室効果ガスは全体の約8〜10%を占めており、自動車の排出量とほぼ同じ水準だ。

3. 食料不足・貧困問題の悪化

世界では年間約13億トンの食品ロスが発生している一方で、約8億人が飢餓に苦しんでいる。人口増加が続く中、食品ロスを減らし、限りある資源を有効活用することが求められている。

食品ロス削減のためにできること

食品ロス削減には、私たち一人ひとりの意識と行動が重要になる。すぐに実践できる取り組みを紹介する。

1. 買い物前に冷蔵庫を確認する

家にある食材を把握し、不要な買い物を防ぐことが大切。スマートフォンで冷蔵庫の中を撮影したり、メモを取ったりすると効果的。

2. 必要な分だけ購入する

まとめ買いはお得に思えるが、使い切れずに捨ててしまうことも多い。安いからといって必要以上に買わず、適量を意識する。

3. 期限表示を意識する

賞味期限が長いものを選びがちだが、すぐに使う予定があるなら手前にある期限の短い商品を選ぶことで、店での食品ロス削減につながる。

4. 訳あり商品を積極的に購入

形が悪い野菜や賞味期限が近い商品などは、値引きされていることが多い。品質には問題がないため、積極的に選んでみるのも一つの方法。

5. 食材の正しい保存方法を実践

冷蔵庫や冷凍庫の使い方を工夫し、食材の鮮度を保つことが重要。肉や野菜は適切な方法で保存し、小分け冷凍することで長持ちさせることができる。

6. 料理は食べきれる量を作る

作りすぎを防ぎ、残りそうな場合は保存して翌日の食事に回すなど工夫を。リメイクレシピを活用するのもおすすめ。

7. 外食時も食品ロスを意識

注文する際は食べきれる量を選ぶ。食べきれなかった場合は、持ち帰り可能な店舗を選ぶのも一つの手。

8. フードバンクを活用する

食べきれない食品や使わない食品は、フードバンクを通じて必要としている人に届けることができる。

9. 地域の取り組みに参加

自治体や企業が実施している食品ロス削減の取り組みに参加することで、社会全体の意識向上につながる。

食品ロスとリサイクルの関係

食品ロスを削減するだけでなく、廃棄される食品の有効活用も重要なポイントとなる。

1. 生ごみの堆肥化

家庭や飲食店で発生した食品廃棄物を堆肥として再利用することで、ゴミの減量につながる。自治体によっては、生ごみを回収し堆肥化する取り組みを行っている地域もある。

2. バイオマス発電

食品廃棄物をバイオマス資源として活用し、エネルギーに変換する技術も進んでいる。ゴミを燃やすのではなく、再利用することで環境負荷を軽減できる。

3. 飼料・肥料として活用

食品工場やスーパーなどで発生する食品廃棄物の一部は、家畜の飼料や農作物の肥料として再利用されている。これにより、資源を無駄なく活用することが可能となる。

食品ロス削減はSDGsにも貢献

食品ロス削減は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標12「つくる責任、つかう責任」と密接に関係している。具体的には、2030年までに世界全体の食品廃棄を半減させることが目標として掲げられている。

個人レベルの取り組みが積み重なることで、大きな変化を生み出すことができる。買い物の仕方を工夫したり、食品を無駄なく使い切ることで、食品ロス削減に貢献できる。

まとめ

食品ロスの削減は、環境問題の解決や資源の有効活用に大きく貢献する。日々の買い物や食生活を少し意識するだけで、誰でも簡単に取り組める。

まずはできることから始めてみよう。一人ひとりの小さな行動が、未来の地球を守る大きな一歩につながる。